からすみとは
日本三大珍味のひとつ、長崎のからすみ。
からすみとは、ボラの卵巣を塩漬けし塩抜きした後、天日で干して乾燥させたものです。からすみは長崎県産の物が有名で、三河のこのわた、越前のうにと共に日本三大珍味のひとつとしても数えられています。ボラ以外では、サワラやサバを用いたものもあります。また、日本以外でも台湾やイタリア、スペイン、エジプトなどでも作られており、世界的にも親しまれている食品です。からすみの名前の由来は、独特の形状が中国の墨(すなわち唐墨)に似ていることからその名がつけられたということが定説となっています。塩辛く、ねっとりとして濃厚な味わいが特徴のからすみは、時の天下人、豊臣秀吉をも唸らせ幕府への貢物になるほど寵愛されたと言われています。
からすみの製法
当店のからすみづくりは、全ての工程が手作業です。まずはボラの卵巣を膜を傷つけないよう慎重に取り出し、血抜きの作業を行います。血抜きの作業を丁寧に行うことで、ボラ独特の臭みが無くなります。その後、個体差にもよりますが3〜6日程樽で塩漬けを行い、塩が卵巣の中まで入ったら樽から取り出し、塩抜きの工程を経て天日で1ヶ月弱ほど乾燥させて完成です。
愛され続ける味
小野原本店では創業以来七代に渡り無添加・無着色、その時代に合わせた味加減にこだわり、からすみづくりを続けています。また、近年ではもっと気軽に楽しんで頂けるようにとご家庭用にもぴったりな製品の開発に励んでいます。
長崎のからすみ
長崎のからすみは、日本三大珍味のひとつにも数えられており希少価値が高く高級品として扱われていますが、その分味も一級品で皇室にも好まれ、皇室ご成婚や即位式の饗宴の際にも納入されています。
世界のからすみ
からすみは、台湾では烏魚子(オーヒージー)、イタリアではbottarga(ボッタルガ)と言います。イタリアのからすみは日本のものと比ベて乾燥具合が強く、塩気も多く含まれているので、薄くスライスしたり、おろし器等で粉末状にして使われ、カナッペやパスタ、リゾット等料理のアクセントとして楽しまれています。
歴史
安土桃山時代に中国から長崎に伝来し、江戸時代初期に日本でも造られるように。
からすみの発祥は、紀元前古代ギリシャやエジプトなど地中海沿岸部と言われています。冷蔵保存ができない時代、生の食品を保存する方法として塩付け、天日干しが考えだされたようです。その後、地中海沿岸全域に広がり、現在のイタリア、フランス、スペイン、トルコでも造られています。
日本でのからすみの歴史は、安土桃山時代に中国から長崎に伝来したのがはじまりと言われています。元来は舶来品だったからすみが日本でも造られるようになったのは江戸時代初期のこと。中国から伝来時よりサワラの卵で造られていましたが、長崎半島の先端部に位置する野母崎地方でよく捕れていたボラの卵で製造したことから、長崎の名産品として日本中に知られるようになったのです。
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からすみの旬や製造過程、その他からすみについての雑学などを随時新着情報にて更新しています。